III.流通性書類のEDI化への取組み
1.流通性書類のEDI化への取組み (1)流通性問題プロジェクトの実施 ヨーロッパでは、単一市場の導入に伴い、人、商品、資本、サービス、情報などの自由な移動が実現し、その全域における事業経営の統合が進められているが、反面、事業管理面で、複雑さが増幅されてきているとの指摘も行われている。 このようなことから、EU加盟国においては、事業管理をより効率的に行うために、EDI及びこれに関連する技術が、急速に採用されつつある。EDI及びその関連技術の導入は、商取引に要求される大量の書類を不要にすることによって、事業管理の効果を高めようとするものである。 そして、EC委員会は、EU加盟国間において最大限にEDIの導入を達成し、その導入に伴い変更されることとなる取引慣行に関する法的諸問題の検討を進めるために、資金提供をして、次のようなプロジェクトの実施を進めている。 ?MANDATE ?BOLERO ?EDIBOL (2)流通性問題プロジェクトの概要 『EDI制度手続簡易化特別委員会』では、国連ECE/WP.4会議への出席などの機会を通じて入手した資料・情報を基に、EC委員会が資金提供をして実施されている疏通性問題プロジェクト』《?MANDATE、?BOLERO及び?EDIBOL》の概況を、以下のように整理し、わが国における貿易関係業界の実務担当者の参考に供する(情報提供をする)こととした。 なお、?MANDATEについては、1995年4月に公表された「MANDATEプロジェクト最終報告書』(以下「MANDATE最終報告書」という。)を基に、流通性問題プロジェクト「MANDATE」の実施結果についての検討・評価を進め、『IV.MANDATEプロジェクト』の部において、詳細に記述しているので、それを参照されたい。 2.MANDATE 《Managing Negotiable Documents and Administrating Trade Electronically》 (1)MANDATEプロジェクトの目的 MANDATEプロジェクトの主たる目的は、「流通性」(negotiability)の本質について検討し、紙の流通性書類(paper negotiable documents)の機能を電子的環境へ移行させるための方法《電子的代替物を確立するための方法》について検討しようとするものである。 この検討は、特に、メッセージ・セキュリティの重要度及び通信当事者間における拘束力のある契約関係の必要性に焦点を当てて行われた。
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